勉強の極意は、シンプルです。
1.分かる
2.覚える
3.思い出す
たったこれだけ。

当たり前のことに見えますが、これをきちんとやっている生徒は、
きわめて少数です。
まず、1も2も3もやっていない生徒がいます。

彼らが勉強と思っているのは、ただの作業です。
ノートをまとめてもまとめるだけ。
英単語の練習も、ただ書くだけ。
数学の問題も、パターンを当てはめて、ただ解くだけ。
こういうのは、残念ながら、勉強ではなく、作業と言います。

次に多いのが、「覚える」だけをしている生徒です。
理解もしないで、ただ結論だけを覚え込もうとするのです。
これは、いちばんたちが悪いかもしれません。
何しろいくら努力しても、成果が出ないのです。
せっかく覚えたことも、すぐ忘れてしまうのです。
これでは、勉強が嫌になるもの当然です。

たしかに大学受験までの勉強は、覚えてナンボです。
でも、だからといって、覚えよう覚えようと
それだけを念じていればよいというものではありません。
それどころか、ほんとうは、覚えるためには、
覚えようとする必要などないのです。

覚えようとするより大切なのは、思い出すことです。
今読んだこと、今解いた問題の道筋を、その場ですぐ思い出すことです。
何度も口で唱え、書いてみるのは決して悪い方法ではありません。
でも、そうすると、機械的な暗記に陥りがちです。
信じられないかもしれませんが、
覚えていなくても唱えることはできます。
覚えていなくても書くことはできます。

ぜひ、覚えよう、ではなく、思い出そうとしてください。
思い出そうという意識は、さっき理解したことを、
筋道だった記憶として整理してくれます。
覚えようとしなくてもいいのです。
ただ、分かりながら読んでください。
そして、次の段落に進む前に、今読んだ内容を思い出してください。
それだけで、びっくりするくらいの差が出ます。
papers
覚えるのが苦手、という子どもたちがいます。
その子たちは、せっかく覚えたことをすぐ忘れてしまうわけではありません。

試していただくと分かります。
お子さんに、社会科なら社会科の教科書を読ませてください。
黙読でも、音読でも構いません。
そして読み終わったらすぐ、教科書を閉じさせて、
何が書いてあったか聞いてみてください。
暗記が苦手なお子さんは、
おそらく何も思い出せないはずです。

お分かりいただけたでしょうか。
読んだその時に、もう思い出せないないとすれば、
これは記憶の問題ではありません。
一度頭に入ったことを忘れてしまうのではなく、
そもそも頭に入っていないのです。
頭に入っていないことを保持することができないのは当然です。

このように、覚えるのが苦手、というのは、
記憶力ではなく、読解力(読んで理解する力)に問題があることが
ほとんどなのです。
もし、すらすらと内容が答えられるのであれば、
何の問題もありません。
忘れないうちに何度か思い出させてやりましょう。
もうお子さんは、きちんとずっと覚えていられるはずです。

近ごろはめっきり物覚えが悪くなって、
今朝読んだ新聞の内容なんて、きれいに忘れちゃったわ、
なんてお嘆きのおかあさまも、ぜひご自身でお試しください。
新聞を読み、少し停まって話を思い出し、それからまた進む。
そんな読み方をしてごらんになれば、ずいぶん頭に残るでしょう。
たしかに若い頃と比べれば、記憶力はすっかり落ちています。
しかし、こういうやり方で、相当いい線までカバーすることができるのです。

中には、記憶力があまりよくないというお子さんもいます。
そういうお子さんにこそ、この読み方を教えてやってください。
分かりさえすれば、覚えることは難しくないということが、
きっと実感できるでしょう。