今も昔も世の中の動きは、複雑です。
様々な事情やら思惑やら偶然やらが絡まり合って、ややこしいことこの上ありません。
それに対して勉強というものは、幸いなことにとても単純です。
ただ覚えればよいのです。
覚えて書ければ、どんな事情にも思惑にも偶然にも左右されることなく、合格です。
なんとも爽やかな話ではありませんか。

ただこの「覚える」というのがなかなか難しい。
いやただ覚えるなら誰でもできる、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、
人間の脳ミソは、膨大な情報をただ貯めこむのではなく、
意味のある大切な情報だけを残してあとは忘れるように作られていますから、
覚えようとするのは、大げさに言えば、自然に反する試みです。
なかなかうまく行きません。
もちろん呪文を唱えるように片っ端から覚えるという芸当もできなくはありませんが、
その記憶をずっと保持するとなると、もう常人の能力を超えています。

さてそれでは、どうすれば覚えられるか。
いろいろな切り口があるとは思いますが、
ここでは「気持ち」という面から考えてみましょう。

覚えやすさを後押しするのはやはり、
「ああ、なるほどねえ」
という気持ち。
素直というか謙虚というか無邪気というか、ま、そんな気持ちです。
「ああなるほど、これこれはこういうことなのか」
と感心し、親しみを持てたことの多くは、
さほど覚えようと力まなくても自然に記憶に残るものです。
覚えるというのは、「いったん頭に入ったことを保持すること」ですから、
親しみを持って受け容れる気持ちは本当に有効です。

それとは逆に、こんなつまらないこと、というような反感を持ってしまうと、
頭以前に目の段階で跳ね除けられてしまいます。
記憶を保持しようにもそもそも一度も頭の中に入っていないものは
覚えられるわけがありません。

覚えられないのは記憶力の問題ではなく、そもそも一度も頭に入れていないから。
このことは何度強調しても強調し過ぎることはありません。
まずは受け入れようという開いた気持ちを持つこと。
そして分かろうとすることです。