学力とは、文字どおり「学ぶ力」のことです。
スポンジにどんどん水を含ませて、これ以上吸えない状態になったのを、
「吸収力が最高になった」とは言いません。
学力も同じです。

成績がいいことは素晴らしいことですが、学ぶ気持ちを持ち続けることは、
もっと素晴らしい。
受験勉強で燃え尽きて、18歳で勉強をやめてしまう人よりも、
生涯にわたってさまざまなことを学ぼうとする人のほうが、
とうぜん豊かな教養や、深い知恵を身につけて行くでしょう。

せっかく勉強をするのなら、学力を高める勉強をしたいものです。
できるだけ面白がって、できるだけ知りたがって、
役に立つとか立たないとか、そういう何かを目的とした学びだけではなく、
ただ知りたいから勉強する、というような、あまり合理的でない姿勢が、
わたしは好きです。

楽しいから勉強する、という態度は、楽しくなくなったらやめてしまうという頼りなさと背中合わせですが、勉強のもとにはこういう無邪気な、計算のない気持ちがあった方がよいと思っています。

答えと解き方だけを覚える勉強からは、こういう学ぶ力は出てきません。
なぜそうなるのかをいちいち気にするような、効率の悪い勉強をしなくてはいけません。
そしてそうした一見効率の悪い勉強こそが、もっとも早く、もっとも確実に、大きな成果につながるのですから、面白いものです。