勉強は、どんどんページを進めればよいと言うものではありません。
テキストの内容を身につけなければなりません。
この当たり前がちゃんとできれば、ほとんどの科目は独習が可能なのですが、残念ながら、なかなかこれが難しい。
いざ勉強を始めると、先へ先へと進みたくなるものだからです。

伊藤和夫「英文解釈教室入門編」に

Some birds do not stay in the same place all through the year.

という文があります。

all through the year を「その年を通してのすべて」と読むのではall が前につながりません。このall は、through …を強める副詞。

みなさんは、こういう解説をちゃんと読んでいるでしょうか。
英語が分かった箇所は読まない、という人が多いのではないでしょうか。
参考書はただの例文集ではありません。
その書籍の心臓部は、英文ではなく解説です。
なのにその解説を読み飛ばしてしまう。
実にもったいないことです。

この箇所で学ぶべきは、正しい和訳そのものではなく、
「all が前につながりません」という解説が何を意味しているか、です。
立ち止まって考えましょう。
こういうことが理解できるようになると、勉強する力=学力がぐんと伸びます。
同じ情報に接しても、読み取れる量がまるで違ってくるからです。

なかなか難しいことですが、先を急がず、しっかり粘って、きちんと分かること。
進むことより分かること。ただ進むのではなく、ひとつでも教訓を得ようとする意識が大事なのです。


<おまけ・「allが前につながりません」の簡潔すぎる解説>
all through the year を「その年を通してのすべて」と読むのは、all through the year を代名詞+前置詞+名詞と捉える読み方ですから、これでは all以下が名詞句ということなってしまいます。ところが名詞(句)は前の部分を修飾できない(I walk the station.と言えないことを思い出しましょう)ため、この解釈は文法的に成り立ちません。
解説に言う「all が前につながりません」とはそういう意味です。