いじめられっ子、世をはばかる

さきほど安倍首相が辞意を表明した、という
ニュースを知りました。
このこと自体はわたしにとって
どうでもよいことなのですが、
どういう巡り合わせか、
分不相応な重責を担わされてしまって、
何とも気の毒な人だったなあと思います。
最後に残した言葉が
「テロとの戦いを継続していかなければ」
というのも痛々しい。
これはすなわち
わが国が最優先すべきは、
アメリカに忠義を尽くすことだ」
という意味でしょうが、
テレビ時代の政治家は、
政策的に正しい事を述べるよりも、
空気を読んだ発言をすることの方がより大事だ、
ということが分かっていらっしゃらない。
よほど実直な人なのでしょう。
同じく妙な巡り合わせで総理になってしまった
細川護煕さんも、
途中で職を放り出し、世間の非難を浴びたものです。
しかし、若くして政界を引退した後は、
お殿様らしく陶芸家として趣味の世界に
暮らしていらっしゃるご様子です。
政治という世界は、
誰かが担わなければならないものですが、
代わりは必ずいるものです。
ここはいっそ細川さんにならうのも、
ひとつの身の処し方ではないでしょうか。
強大な権力というものの重さは、
ひとりの小さなからだで支えるには、
あまりに大きすぎます。
もしかしたら安倍さんも、
普通の家に生まれ、
身の丈に合った生き方をしたかったのかも
しれませんね。