自分のことを棚に上げて

「先生は勉強しろって言うけどさ、
勉強した結果、先生みたいになっちゃうなら、
おれは勉強なんてしたくない。」
なんてことをよく思っていた。
高校生の頃だ。
「そもそも勉強というのは、
それ自体が目的ではなくて、
勉強で身につけた何かを生かして、
別の何事かを成しとげるためのものだろう。
それなのに、先生は、
ただそれを下の世代に丸投げしているだけで、
何かを生み出しているわけでもない。
それでさも立派な人のように説教を垂れているなんて、
ちゃんちゃらおかしいよなー。」
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そんな風にひねくれていた自分に向かって、
今のぼくが何かを言ってやるとしたら、
それはきっと、こういうことだろう。
あのね、立派なのは先生じゃなくて、
先生が伝えてくれている中身なのよ。
だから尊敬しなくちゃいけないのは、
先生じゃなくて、勉強の方。
人類がずーっと数千年も大事にしてきたものだもの、
そりゃすごいに決まっているだろ。
先生はそんなに大したことはないかもしれない。
でも、先生が伝えている勉強は違うんだ。
勉強はすごい。
面白い。
うーんと尊敬するといい。
な、分かるか、おれ。