にわかきれい好き

最初に断っておくが、
ぼくは落ちた物でも平気で食べてしまうようなヤツである。
それがここ数日、妙なことになっている。
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新型インフルエンザに備え、手洗いうがいを始めた。
そのうちに、うがい薬を使うようになった。
手も石けんでごしごし洗うようになった。
タオルの雑菌が気になって、ペーパータオルを買ってきた。
消毒用のアルコールも使い始めた。
子どもたちがお茶を飲むグラスが心配で、
アクリルたわしを除菌してから洗い直した。
それでも安心できず、結局使い捨てのカップに切り替えた。
トイレのドアノブや電灯のスイッチや水道の蛇口やらを
アルコールで拭いた。
机はどうしよう、鉛筆立ての筆記用具は大丈夫だろうか、
なんてことも思う。
レッスン中にだれかがクシャミをすると、
口をおおった手が、次にどこを触るかを追ってしまう。
飛沫が飛んだあたりを、後から拭いておかなくちゃ、
なんてことが頭をよぎる。
まったく、インフルエンザよりも、この方がよほど病的だ。
こんなことは長続きしないだろう。
いずれ飽きて、そこそこのところに落ち着くだろう。
が、それにしても、落ちた物でも平気で食えるいい加減さと、
こういう神経質さが同居できるなんて、
わがことながら面白い。