聖林寺のディープな人たち

今日からALPはなぜか夏休みである。
今朝は睡眠3時間でぱっちり目が覚めた。
遠足の日の小学生と同じレベルと言うなら言え。
で、聖林寺に十一面観音を見に行った。
いやあ、じつにじつに素晴らしかった。
どの写真で見るよりも、ずっと柔らかく美しかった。
仏像にも写真写りってもんがあるんだねえ。
たったひとつの仏像の前で、気がつけば1時間半も経っていた。
その間に来た人は、わずかに4組。
しかし、数は少なくとも、交通の便もひどく悪いこのお寺に
わざわざ来るというのだから、
みなさんそれなりの思い入れ持っていて、これがまた強烈だった。
カルチャーセンターのツアーとおぼしきご一行は、
先生の解説を聞きながら、なんてきれいな仏さまだろうねえ、
なんて言い合っている。はたで聞いているだけでも
こういうのは気持ちがいい。
そのあとにひとりでやってきたおばさまは、
先代の住職のころからの常連らしく、
いついつの法要の時にはこんな様子だったんですよ、
なんてことを話してくれる。
あまり詳しいからてっきり近所の人かと思っていたら、
なんと福岡にお住まいだとか。
横浜から来た夫婦連れは、ごく普通の方ながら、
それでも今日で4回目だという。
最後に来たのは、
この仏像の失われた光背の研究をしている、という人。
文化庁の要請でここはこうやって修復したが、
この台座のもともとの形はもっとここがふわっとふくらんで
いたはずだ、なんて話を教えてくれる。
ひとりでじっと見ていた時間もよかったけれど、
あの人たちのディープな話も、おもしろかった。
やっぱ仏像って、いいわ。