水野敬三郎「奈良・京都の古寺めぐり」

岩波ジュニア新書。副題は「仏像の見かた」。このシリーズには優れた作品が多い。仏像の種類や見分け方を紹介するだけでなく、仏像の様式がどのように伝播してきたかとか、金銅仏、木彫、塑像、乾漆造など制作方法についての説明も詳しく、分かりやすい。この本のおかげで、仏像を見るのがほんとうに楽しくなった。芸術は心で感じるものかもしれないが、知らないと味わえないことも多い。知識は決して鑑賞の妨げにならない。