アダム・カバット「妖怪草子・くずし字入門」

何年か前に、くずし字が読めたらさぞ楽しかろうと思って、林英夫の「おさらい 古文書の基礎」を買ったことがある。いきなり候文を読むというのはさすがに難しく、読み始めて早々に挫折してしまった。その点この本は取っ付きやすい。題材は、漢字ばかりの候文ではなくひらがなだらけの黄表紙である。妖怪の挿し絵もいっぱいで、親しみやすいことこの上ない。
見ての通り著者はアメリカ人である。アメリカ生まれのアメリカ人が、日本語の古文をくずし字で読んでしまうという事実にまず圧倒される。勉強していない日本人よりも、勉強しているアメリカ人のほうが、はるかに日本語を知っているというのは、当たり前といえば当たり前のことなのだが、勉強の持つ力の大きさを改めて思い知らされる。
今日はひらがなの「か」と「は」を覚えた。