むかしの電話

と言っても黒電話ではない。
20年ほど前に買ったイスクラETA80。
1984年に日本でもグッドデザイン賞を受賞した
ユーゴスラビアの逸品である。
ずっと前に使わなくなってしまい込んであったのが、
本日の大掃除で発掘されたのだ。
ごらんのとおり、めちゃかっこいい。
iskra.jpg
四半世紀もたって、いまだに美しいデザインというのは
めったにあるものではない。
20年前、リダイアル機能もないこの電話で、
松任谷由実のチケットを取るのに
じーころじーころ
4時間もダイアルし続けたことを思い出す。
しみじみ。
そう、ダイアルである。
ウチの子たちは、電話のダイアルの仕方を知らなかった。
受話器を取って、回して、放す、
の「放す」がうまくできないのだ。
やったことがないから仕方がないが、
やはり時代は変わっている。
われわれのあの頃は、いまや昔話である。