上野のパンダが子を産んだ、という報道があった。
東京都知事は、そんなものには興味はない、と言い捨てた。
どうせなら尖閣諸島から名を取って、
センセン、カクカクと名付けよとまで言った。
自分の影響力を知ってか知らずか、
思ったことをそのまま口にでき、
なお人気に翳りが見えない権力者は、今日では希有だろう。
さて都知事ひとりは言いたい放題だが、
世間にはどこか、パンダの悪口を言ってはいけない雰囲気がある。
パンダなんていらねえや、とか、
別にかわいくないじゃん、とか、
目の周りの黒い部分がつり目だったら悪相だよな、とか、
そういうことは言ってはいけないようである。
ましてや、赤ちゃんだからね。
鳥の世界で、パンダ並み、とはいかないまでも、
特別目をかけてもらっているのは、
おトキ様を別格とすると、まずはツバメではないか。
一心にエサをねだるヒナの姿は、
まあ可愛らしい、と目を細めて見るのが正しい作法である。
うじゃうじゃしていて気持ち悪いなんて言ったりしてはいけない。
ましてツバメの巣を、けっじゃまなんだよ、なんて
衆人の前でたたき落しでもしようものなら、
まず、無事では済むまい。
ここに、ツバメの巣がある。
写ってはいないが、ほかにも二つある。
停まっているおっさん仕様のスクーターは、ぼくの愛車である。
ツバメのトイレではない。
ぼくの愛車である。
ツバメのトイレではない。
ツバメのトイレではない!
ツバメのトイレではない !!