小学校のときから、
テストというのは名前を書かなければ0点と決まっていた。
非情なものである。
ましてコンピュータでちゃちゃっと採点してしまう
大学入試となれば、
機械的に0点にされるのは当然である。
第一入試というものは、公開されたルールにのっとり、
ともかくも一定数を落第させることを目的としているのだから、
うっかりミスに温情をかける余地などあるはずもない。
ってなことをぼくは今日まで疑うことなく信じていたのだが、
いやあ、驚いたなあ。
なんとあのセンター試験が、
受験番号をマークし忘れた受験者(今年は7000人!)を
わざわざ割り出して、ちゃんと採点してやっていた、
というのである。
本人にも知らせず(つまり誰にも感謝もされず)、20年以上も
そういう面倒なことをやり続けていたなんて、
こいつはなかなかいい話ではないか。
もっとも、受験の失敗を
「あれはマークミスに違いない」と信じることで
やっと乗り越えたSくんやNくんの心情を思うと、
この措置が「救済」になっているかは微妙なところだけど。