寝る前には、なるべく下らないことを考える。
必要なことは、必要になったときに考えればいいからな。
で、先ほど風呂に入りながら頭をよぎった単語は、
どういうわけか、「黒ネコのタンゴ」だった。
いやいや、駄洒落じゃなくってさ。
突然、何の脈絡もなく、こんな言葉が浮かんだのが不審だったのだ。
この感じは、ちょうど、夢を見るのに似ている。
こんな風に、意識の裂け目からこぼれ出てくる何かは、
大抵は取るに足らない雑音に過ぎないけれど、
ときどき面白いものをもたらしてくれることがある。
この、どこからか迷い込んでくる何者かは、
確実にぼくよりも頭がいい。
もしかしたら、昔の人は、
こういう何かを福の神、なんて呼んだのかもしれないね。