素粒子を笑え

金曜日の朝日新聞夕刊の「素粒子」から。
本欄は、朝日によれば「寸鉄人を刺す」「人気」コラム、
だそうである。
「戦いすんで夜が明けて、日本の球蹴り狂想曲終わる。
あんな、へなへなシュートじゃ、仕方ない」
え、これが朝日一面の主張ですか。

おりしも桐生悠々が信濃毎日新聞に書いた
「関東防空大演習を嗤う」を読む。
桐生は戦時中、
東京上空に戦闘機を飛ばして防空演習をしたことを受け、
本土に敵機が襲来したら首都は灰燼に帰すほかないのだから、
防空演習をするのはまったく無意味、と論じ職を追われた。
彼は後年
「言いたいことを、出放題に言っていれば、愉快に相違ない。
だが、言わねばならないことを言うのは、愉快ではなくて、
苦痛である。
何ぜなら、言いたいことを言うのは、権利の行使であるに
反して、言わねばならないことを言うのは、
義務の履行だからである。
(略)
しかも、この義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う。
少くとも、損害を招く。
現に私は防空演習について言わねばならないことを言って、
軍部のために、私の生活権を奪われた。」と述べている。

ジャーナリズムとは、こういうものを言う。
そうそう、朝日新聞のみなさんも、
たしか「ジャーナリズム宣言」なんて言っていましたよね。
ぷぷぷ。