物言えば唇寒しってか

柳沢大臣の発言の波紋がなかなかおさまらない。
女性を産む機械よばわりしただけでなく、
子どもを二人以上持つのは健全なことだ、
と発言したことが、格好の攻撃の的になっているのだ。
さっきもテレビを見ていたら、
「女性が子どもを産んでくれないと困る」とは
どういうことだ、
なんてかみついている女性議員がいた。
柳沢さんは百回も答弁に立ち、一分ごとに謝っていたとか。
ちょっと待て。
いや、ごめんなさい。待ってください。
少子化問題というのはつまるところ、
柳沢さんが言うとおり、
「女性が子どもを産んでくれないと困る」
ということじゃないんでしょうか。
彼が言いたかったのは、
女性ひとりひとりを見たときには
産むか産まないかは個人の自由に違いないが、
社会全体を見たときに、
みんなが産まない選択をしたらこりゃえらいことになる。
という極めて当たり前のことであって、
何も「こどもを産まない女性は困る」と言っているわけ
じゃない(はずだ)。
二人以上の子供を持つ夫婦を「健全」と言っているわけ
ではなく、
そうして人口が維持できる社会を「健全」と言っている
のだ(ろう)。
そりゃ、
産みたくても産めない女性がいる
子どもを産まない選択をする女性がいる
そういう女性のありかたを否定するのは許せない、
と言いたい気持ちはわかるし、
安心して子どもを産める社会環境を整えろ、という
要求もすごくまっとうだと思うのだが、
女性には産まない権利もあるのだから、
産まなくたっていいじゃないか!
というところまでいくと、
まったく理屈がわからなくなってしまう。
だってそれじゃ、
ショーシカなんてノープロブレム、ってことに
なっちゃうでしょ。
もう揚げ足取りはいいからさ、
報奨金を山のように出すとか、
大学までの教育費を無償にするとか、
そういうたぐいの実効性のある政策について議論してくれると
納税者としてはうれしいんですけど。