ときとして表現は、単なるレトリックを超えて
現実のあらわれ方を変える力を持っている。
今日のような日に、暑い暑いと言ったところで、
ただ不快な気持ちが募るばかりであるが、
これを
「気温が高い」
と言い換えてみると、どうだろう。
ずいぶん違って感じられはしないだろうか。
今日もあっちーなあ、
ではなく、
近ごろ気温が高いなあ、
と言ってみると、
この気温の高さの原因はなんだろう、とか
気温が高いと消費動向はどのように影響されるのだろうか、
などと、
ただ個人的なぼやきを越えた、
科学的/社会的な視点というものが
呼び起こされたりしないだろうか。
……しないですか。