夏の甲子園は、佐賀北高校の優勝で幕を閉じた。
公立の進学校が、
他県から優秀な生徒をかき集めて編成した
野球エリート集団を蹴散らした格好である。
まことにめでたい。
昼食をカレー屋で食べながら、
概略以上のような新聞記事を読んだ。
ほほー、なるほど。
ほとんど何も知らない者が
軽々にコメントするのも何なのだが、
このことは裏返して言うと、
ほかに取り柄はないけれど
野球だけは得意という子どもたちが、
小学生の頃から人並みならぬ努力を続け、
中学校で注目されるようになり、
強豪校と呼ばれる高校に招かれたあとも、
何十人ものライバルたちの中で激烈な競争を重ね、
厳しい練習と、先輩たちの横暴に耐え、
ついにレギュラーの座を手に入れて、
勉強も捨て、寝食も忘れるように、
ますます二六時中野球に身を捧げ、
果てしのない苦難を越えて、
とうとう憧れの甲子園にやってきたら、
勉強もそこそこできて、
あれもこれも器用に楽しんできたような連中に
一蹴されてしまった、
ということになるのだろうか。
まったくやりきれないような話である。