小さな命

舗道の隙間に花が咲いていました。
コンクリートとのほんのわずかな所から、
誰に見られるわけでもないのに、一所懸命。
今にも折れてしまいそうな、たおやかで、可憐で、
それでいて強い命のあり方に、
ぼくは思わず足を止め、そこにしゃがみ込んで、
がんばれ、とささやいてしまいました。
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そのとき柔らかな風がわたり、そっと花を撫でました。
ぼくには花が軽やかに声を立てて笑ったように思えました。
もしかしたら、彼女もまた、ぼくに向かって
がんばれ、って言ってくれたのかもしれません。
見上げた空がずーっと上の方まで透きとおって見えたのは、
ただ天気がよかったためではないようです。
…すみません。
やっぱりダメだ。これ以上、耐えられない。
いやね、
今日この写真を撮ったとき、思ったのよ。
よし、ここはひとつ、
すごくありきたりで、べたべたで、
歯の浮くような文章を書いてやろうって。
しかし、いや、これは、やってみるとつらいね。
ほんとうはタイトルも
  「小さないのちの詩(うた)」
と決めていたんだけど、そこまでやる勇気は出なかった。
書いている当人は、背中がぞわぞわしてしまいましたが、
みなさんは、いかがでしたか。