格好いい話

カッコいいというのは、不思議である。
世の中でカッコいいとされているものでも、
流行に不案内なおじさんにとっては、
何がカッコいいのか理解できないことが多い。
この人は美人である、なんてことだったら、
教えられなくても見れば分かる。
美しいとかカッコいいというのは、
本来そういうものであるはずなのに、
現実のカッコいいはそうではない。
そうではないのに、ちゃんとカッコいいものとして、
認知されているから不思議である。
たとえば、きちゃないジーンズをずり下げて穿く、
なんていうのがその例だ。
店でもらえるカタログを見てもそういう穿き方をしているから、
どうやら本当に、これがカッコいいらしい。
うーん。
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【がががががっ、カッコいいだろっ】
おそらく格好良さには、二種類あるんだろう。
ひとつは誰もが認める格好良さであり、
もうひとつは仲間内だけに通用する格好良さである。
後者の格好良さというのは、本当にカッコいい必要はない。
ただ、それを良しとするこっち側と、
その良さが分からないあっち側とを区別する機能を
果たせばよいのである。
とすれば、ここでは、
ちゃんとサイズを合わせたジーンズのように、
誰が見ても格好良いようなものは
内と外とを峻別する機能を果たせないから、
あまり歓迎されない、ということになる。
ふむふむ。なーるほど。
刺青みたいなもん、か。
ところで「カッコいい」は
関東では(E)、関西では(A)と表記されるという話、
ほんとうでしょうか。