近所にマンションが建つことになった。
いつからか反対運動がはじまり、
気がつくとのぼりが建築現場のぐるりを囲んでいる。
ところがこのマンション、はた目には
あんまり迷惑そうな物件に見えないのだ。
三階建の低層だし、
日当たりが問題になる北側には道を隔てて公園があるだけだ。
もちろん正義の確信を持たずに反対運動を
することはないから、
おそらくそこには、日照以外の事情があるには違いない。
しかしどんな事情があるにせよ、
それを知らない部外者には
ただの住民エゴに見えてしまうものである。
外野のぼくには
発言する資格などあるはずもないけど、
この件を離れて一般論で言えば、
そこはみんなの空き地じゃなくて
どっかの会社が数億円で買った土地なんだから、
私たちのために建物を建てないでって言うんだったら、
それなりの負担をするのが筋だという気がする。
何にも犠牲を払わずに人の数億円を捨てさせる、
なんて権利は、さすがに誰にもないだろう。
景観を自分の好みに合わせたいなら、
見渡す限りの土地を買わなくちゃいけない。
ここまで言うのは極論かも知れないけれど、
正常な権利感覚ってのは、
もしろそういうもんじゃないんだろうか。