月別アーカイブ: 2012年6月

島国だからねー。

からとつな話なんですが。
日本は島国だから排他的だとか、
島国だからものの見方が画一的だとか、
まあその手のことは、よく言われる。
でもね。
うそだよね、そんなの。
世界地図や地球儀を見ると、たしかに日本はちっちゃい島である。
飛行機で降り立つと、そのままオーバーランして
海にぽっちゃんしちゃうような気さえする。
sakae01.jpg
でもそれは、単にそういう地図で見るからであって、
普通に暮らしていて、日本は小さい鳥国だなあ、
閉ざされた世界だなあ、なんて思ったことがあるですか?
自分の目で見て自分の足で歩いて、
何だよ、もう端まで来ちゃったよ、ほんとに日本って狭いなあ、
なんて実感した人はいるですか?
日本はめちゃめちゃでかい。
とても歩いては回りきれない。
いろいろな人がいる。
それが実感だろう。
たしかにいろいろな肌の色の人がいて、
いろいろな言葉が飛び交う国ではないが、
それはよその国と比較した場合の程度の問題にすぎない。
いってみれば、地球人はみんな頭がひとつで腕が2本だから
画一的でいけないよねっていうのと同じたぐいの話である。
くだらない。
ぼくは自分の実感から、
日本はでかいな、いろいろな人がいるなって思う。
あ、唐突をからとつって読む人のことじゃないっすよ。
たとえば、そうね、
島が鳥になっていることに気づいちゃう人、とか?

小さな命

舗道の隙間に花が咲いていました。
コンクリートとのほんのわずかな所から、
誰に見られるわけでもないのに、一所懸命。
今にも折れてしまいそうな、たおやかで、可憐で、
それでいて強い命のあり方に、
ぼくは思わず足を止め、そこにしゃがみ込んで、
がんばれ、とささやいてしまいました。
michihana.jpg
そのとき柔らかな風がわたり、そっと花を撫でました。
ぼくには花が軽やかに声を立てて笑ったように思えました。
もしかしたら、彼女もまた、ぼくに向かって
がんばれ、って言ってくれたのかもしれません。
見上げた空がずーっと上の方まで透きとおって見えたのは、
ただ天気がよかったためではないようです。
…すみません。
やっぱりダメだ。これ以上、耐えられない。
いやね、
今日この写真を撮ったとき、思ったのよ。
よし、ここはひとつ、
すごくありきたりで、べたべたで、
歯の浮くような文章を書いてやろうって。
しかし、いや、これは、やってみるとつらいね。
ほんとうはタイトルも
  「小さないのちの詩(うた)」
と決めていたんだけど、そこまでやる勇気は出なかった。
書いている当人は、背中がぞわぞわしてしまいましたが、
みなさんは、いかがでしたか。

珍しいもんの勝ち

今晩、部分月食がありました。
月の4割も欠けるなかなか立派な月食でした。
うちの近所でも、手に手に月食グラスをもった家族連れが、
マンションのベランダや駐車場に集まりまして、
それはもう、たいそうな賑わいでした
っていうのはもちろん嘘っぱちで、
みごとに、何の話題にもなりませんでしたね。
思えば月も不運です。
なんせ金環日食のあとですから。
それに明日は、金星が太陽面を通過するって言いますもんね。
これまた次は百年後、という珍しい現象だそうですから、
来年も見られる部分月食なんざあ、
オリンピックとワールドカップの間にはさまれた
運動会みたいなもんですわな。
それにしても、日食とか月食なんてものは、
われわれにとっては、ただ珍しいだけですよね。
珍しいと言われれば、価値が分かろうが分かるまいが、
関心があろうがなかろうが、とりあえず見たくなる。
人の心理ってのは、面白いものです。
おお、それで思い出した。
去年だったか、名古屋でゴッホ展がありました。
唐突な話ですみません。
この展覧会には、「アルルの寝室」
っていう有名な作品が出品されていたのですが、
そのすぐ横に、モデルになった部屋そのものを
原寸大に再現した模型が展示してあったのです。
とても珍しい企画だったので、
こっちはぴょんぴょん跳ねなきゃ見えないくらいの大混雑。
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で、こっちはがらがら。
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やっぱり、珍しいモノの勝ちなのでした。

ぷらぷら歩く

街に行ったら、歩行者天国になっていた。
名古屋では、久々の復活みたい。
ホコ天といっても、路上パフォーマンスなどはなく、
ただ歩けるだけなんだけど、
新鮮で、けっこう楽しい気分になる。
車道の真ん中を歩くだけで、
いつもならしちゃいけないことを、今日はしてもいい、
という楽しさがある。
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こういうことを思いついて、いろいろな人を巻き込んで、
実現しちゃう人は偉い。
やらなくても誰も困らないようなことをわざわざやる、
というのは普通はできない。
渋滞だのゴミだの騒音だの防犯だの、
いろいろな問題を片付けて行く面倒を考えると、
企画の段階で飽きてしまいそうなものだし、
こうした面倒の割に、
誰かが大もうけできるような話でもなさそうだ。
利口な人ならおそらくやらないイベントだろう。
どんな人が骨を折ってくれているのかは知らない。
おかげで楽しかった。

最先端を走るのさ

先週iPod touchを手に入れてから、
サルがヒトへと進化するように、毎日着実に上達している。
ここでサルはヒトに進化などしない、という事実に気づいた人には、
ぜひここに込められた言外の意味も汲んでほしいんだが、
それはともかく、おじちゃんはおじちゃんなりに
ちょっとずつは上手になっていて、これがなかなか楽しいのだ。
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iPod touchには、ケータイ機能がついていない。
もちろん携帯すること自体はできるし、
肉声が届く範囲なら遠くにいる人とでも話をすることはできるが、
しかし、これをケータイ機能と呼ぶのは、やや憚られる。
ケータイ機能もカメラも付いていないデバイスを、
何のために手に入れたのか。
「読んだり書いたり勉強したりするのに必要なのっ」
と言い張ってはいるが、
じつは、何となく欲しかったからに決まっている。
もちろんこのあたりの事情は、バレバレである。
手始めに、青空文庫でごっそり本をダウンロードした。
青空文庫で読めるのは著作権の切れた古い本ばかりだが、
ぼくはもともとそういう本しか読まないので、
まったく不満はない。
これがうまく行ったので、
次は海外版青空文庫とでもいうべきProject Gutenbergから
ディケンズとかマークトウェインとかジャックロンドンとか、
イソップとかちび黒サンボとか(だんだん易しくなっているけど)、
いろいろダウンロードして、
それをアマゾンのKindle for iPhoneというソフトで読んでいる。
というか、眺めている。
たのしい、たのしい。
タダも同然の値段でこんなことができるなんて、
いやあ、いい時代になりました。
何の落ちも展開もない話ですが、そんだけです。
ばいばい。